Fucoidan Times

2017 - 10 - 20 |
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胃がん手術「どこを残すか」が重要 医師に聞いた体重減少が生存率下げる理由


胃がんではどのような手術を受けるかによって、術後の生活の質(QOL)が大きく変わる。重要なのは、「どのくらい残すか」だけでなく「どこを残すか」。その選択が、予後にまで影響を及ぼすことがわかってきた。好評発売中の週刊朝日ムック「胃がんと診断されました」から、手術をした後の生活の悩みについて紹介する。

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 胃がんを根治させるには、胃の一部あるいは全部を切除する手術が必要だ。術後は、ダンピング症候群や下痢など「胃切除後障害」と呼ばれるさまざまな後遺症が起こりやすい。なかでも「体重の減少」は、ほとんどの患者が経験する後遺症だ。

 がん研有明病院の比企直樹医師らが術式ごとに体重がどれくらい減るのかを調べたところ、胃をすべて切り取る「胃全摘」の場合、術後1年で平均18%減少していた。50キロの人なら41キロになり、かなり痩せてしまうことになる。

 切除する範囲が大きければ大きいほど体重も減る――と考えがちだが、意外なことがわかった。全摘の次に体重減少率が大きかったのは、胃を60%も残せる「噴門(ふんもん)側胃切除」。残胃30%の「幽門(ゆうもん)側胃切除」や残胃20%で小ぶりなギョーザくらいの大きさしか残らない「亜全摘」のほうが、体重の減りが少なかった。

「残胃が小さいわりに体重の減少が抑えられたのは、胃の上部にある『胃穹窿(きゅうりゅう)部』を残せる術式でした」

と比企医師は明かす。

 胃穹窿部は、脳に働きかけて食欲を増進させる「グレリン」というホルモンを分泌している。グレリンの約9割が胃で分泌されるので、胃穹窿部の有無が食欲に与える影響は大きい。

 さらにグレリンは味覚に関連しているため、欠乏すると味覚も低下する。

「術後に体重が減るのは、胃が小さくなって栄養の消化吸収が悪くなるからというのが通説でした。しかし胃袋が大きくても、食欲が湧かなければ、思うように食べられなくなります。消化吸収の機能以上に『食べたい』という気持ちや、おいしく食べられることが大切なのです」(比企医師)

 

■QOLを考慮し切除範囲を絞り込む

 術後の体重減少に悩む患者のために、食事の摂り方や運動などの生活指導、薬物療法、栄養補助食品といったさまざまな対策が講じられているが、体重が元に戻らず苦しむ人も少なくない。

 比企医師は、「手術方法を選ぶ段階から、体重減少を予防することができる」と強調する。もちろん根治をめざして、がんの病巣をしっかり取り切ることは大前提だ。

「現在は診断法の進歩に加え手術方法を工夫することで、切除範囲をかなり絞り込めるようになっています。『とりあえず大きく切ろう』ではなく、患者さんのその後の生活、ひいては人生を十分に考えた最適な手術方法を選ぶことが大事です」

(取材・文/熊谷わこ)

出典;AREA dot.

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