Fucoidan Times

2017 - 10 - 20 |
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健康に係わる様々な情報をシーフコイダンスタッフがお届けします。
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健康のカギ握る善玉菌の話し


腸内細菌とおなかの健康【前編】

 おなかの健康は全身の健康に影響を及ぼします。その、おなかの健康と深く関わっているのが腸内細菌。今回から2回にわたって、腸内細菌の働きや、よい腸内環境を保つ方法などについて解説します。前編は腸内細菌の働きです。

“悪役”あっての善玉菌

 私たちの腸の中にはたくさんの細菌がすんでいます。その種類や数については諸説ありますが、約300種類、100兆個とするのが一般的です。重さにすると約1kgにもなります。この多種多様で膨大な数の細菌が腸一面に広がっている様子は、さまざまな花が咲き乱れる花畑を思わせることから、植物群集を指す分類学の用語で、ギリシャ神話の花の女神の意味もある「フローラ」を用いて「腸内フローラ」と呼ばれています。

 この場合の腸とは、主に大腸を指します。大部分の細菌がすみかにしているのは大腸です。小腸では、大腸に近い回腸に一部の細菌が生息していますが、胃に近い空腸にはいません。

 腸内細菌はよく、善玉菌と悪玉菌、それに、どちらか優勢なほうにつく日和見菌の3種類に分けられます。これは医学的な分類ではありませんが、腸内細菌が人体に及ぼす影響という点からは非常にわかりやすいので、ここでもその分け方を用いましょう。

 善玉菌の代表格は乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌で、これらは整腸剤、つまり薬としても使われています。善玉菌は感染を防いだり、消化吸収を助けたりするほか、ある種のビタミンを合成する作用もあります。あまり知られていませんが、合成に善玉菌の働きが必要なビタミンがあるのです。

 一方、悪玉菌の代表の一つは有毒株の大腸菌です。これは病原性大腸菌とは異なり、産生するのは食中毒を起こすような強力な毒素ではなく、腸を刺激する程度の毒素です。これにウエルシュ菌とブドウ球菌を加えた3種の菌が代表的な悪玉菌です。これらは腸内を腐敗させ、下痢や便秘を引き起こしたり、腸内ガスを過剰に発生させたりします。さらに、発がん性物質を産生するとも言われています。

 大腸菌には無毒株もあり、こちらは日和見菌の代表です。

 腸内細菌の比率は、離乳期から壮年期(60歳ごろまで)はあまり変化しませんが、それ以降は善玉菌が減って悪玉菌が増えています。離乳期から壮年期の健康な人の場合、一般に善玉菌が20%、悪玉菌が10%で、残りの70%を日和見菌が占めているとされています。

 大事なのは、このバランスです。善玉菌と悪玉菌がこの拮抗(きっこう)状態にあることで、「腸管バリア」と呼ばれる腸管粘膜を守るシステムが維持されると考えられています。腸管バリアは、悪玉菌が多すぎる場合だけでなく、善玉菌が多すぎても機能が低下します。善玉菌だからといって多ければ多いほどよいわけではないのです。悪役がいるからこそヒーローも活躍できるというわけです。

善玉菌 八面六臂(ろっぴ)の活躍

 善玉菌の働きについて、もう少し詳しく説明しましょう。

 まずは消化吸収に関することから。善玉菌は、小腸では栄養分の消化吸収を助けています。食事でとった栄養分を人が吸収できる状態に分解するのに、善玉菌が不可欠な場合もあります。大腸では水分の吸収に関わっており、便の水分量を調節しています。

 免疫機能にも関わっています。善玉菌は、悪玉菌や、外から侵入した病原菌の増殖を防いだり、それらを排除したりする働きがあります。感染症の予防にも役立っているのです。

 便の状態には大きな影響を及ぼします。善玉菌は鉄やカルシウムなどのミネラルの吸収を助けて便を発酵させ、よい性状の便にしますし、腸の蠕動(ぜんどう)運動を助けて安定させ、便秘や下痢を防ぎます。便の腐敗を防いで発がん性物質などの有害成分を分解する働きもあります。

 さらに、ある種のビタミンを合成します。ビタミンB2、B6、B12、K、ビオチン、葉酸、パントテン酸が、善玉菌の働きによってつくられます。

善玉菌が減るとどうなる?

 このように、人体にとって多くのよい働きをしている善玉菌が減ると、腸内細菌中に悪玉菌の占める割合が大きくなります。善玉菌が減るのは、栄養バランスの悪い食事や、夜更かしなど生活習慣の乱れが続くとき▽病原菌が侵入してきたとき▽下痢や便秘などの便通異常が続くとき▽抗菌薬を内服したとき▽ほかの病気で体が弱ったとき--などで、残念ながら老化も一因になります。

 悪玉菌が増えると、腸内に発がん性物質や発がん促進物質がつくられ、細菌が出す毒素とともに腸管粘膜を刺激し、障害します。腸管粘膜が障害されるので腸管バリア機能が低下し、免疫機能が低下します。

 こうしたことから、有害な成分が血中に移行しやすくなり、それが内臓にも悪影響を及ぼします。その結果、がん、肥満、糖尿病、認知症、自己免疫疾患などの全身性の病気の原因になるほか、全身の免疫機能を低下させることでほかの病気の原因にもなるリスクを高めると考えられています(図参照)。

 これらのリスクを減らし、全身の健康を維持するために、腸内細菌をよいバランスで保つことはとても有用だと思います。次回は、よい腸内環境を保つ方法を解説します。【聞き手=医療ライター・竹本和代】

尾高健夫

尾高内科・胃腸クリニック院長

おだか・たけお 1989年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業後、千葉大学医学部第1内科(現・消化器・腎臓内科学)入局。千葉県立東金病院内科医長、東邦大学医療センター佐倉病院内視鏡治療センター講師、おゆみのクリニック(千葉市)消化器科部長などを経て、2014年千葉市内に尾高内科・胃腸クリニックを開設。長く消化器疾患と内視鏡検査の専門医として診療にあたり、特に胃腸疾患では内視鏡による早期がんの診断と治療、ヘリコバクター・ピロリの除菌治療、胃食道逆流症、便秘・下痢症など幅広い疾患を対象に治療と研究を行ってきた。モットーは「人として優しく、医者として明るい医療」。科学的エビデンス(証拠)と自身の経験による知識をバランスよく、わかりやすい言葉で患者に伝えることに心を砕いている。

出典;毎日新聞

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